『国取り物語』 司馬遼太郎

司馬遼太郎の中では一番好きかもしれない.
それは,登場人物によるものが大きい.
端的に言えば,斎藤道三が大好きなのである.
油屋の身から一世(一説では父子)で戦国大名まで上り詰めた
その立身出世の様はすさまじいものがある.
しかも決して盤石な基盤を築いたわけではなく,
子の斎藤義龍に殺されあっけなく途絶える様を含めて斎藤道三の生き様に惚れてしまう.
なので個人的には後半の光秀・信長の二人にスポットライトを当てた
対照的ストリーテリングにはあまり高い評価は与えていない.
道三が殺された時点で終わりになっていないことに
作者のものでない意図を感じて少し嫌だ.
(完全に根拠のない個人的推測なため,定かではない)

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『京極堂』シリーズ 京極夏彦

厚い作家,で知られる京極夏彦の有名シリーズ.
シリーズ一作目はミステリィとしてはギリギリラインだった気がするけれども,
その後もクオリティ落とさずにシリーズを続ける力はさすがと思う.
何よりもすごいのは作品ごとの雰囲気.
それぞれテーマとしている妖怪にあわせて作品を作り上げている訳なのだが,
ものの見事にそれがなされている.
登場人物や語り口はほぼ変わらないのに作品のテーマ色が認識できるほど個性化されている.
世間的には『魍魎の匣』の評判が高いが,個人的に好きなのは,
『鉄鼠の檻』と『絡新婦の理』が好み.
前者は締め付けんばかりの重苦しい雰囲気がたまらなく,
後者はまさにクモの糸が如く各事象がつながっていく様は素晴らしいの一言.
腕の筋トレ代わりにノベルスで是非どうぞ.

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鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)
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『朗読者』 ベルンハルト シュリンク

最近映画化もされて噂の作品.
とりあえず手を出してみました.
母親から又貸ししてもらった際「重い話」といわれたが,
それほどでもないかな,と思った.
むしろ作品として注目すべきはテーマの重さよりも
登場人物たちの立ち位置かな,とも.
小説として際立たせるための指向性をもったキャラクタライズではなく,
悩み,気づき,決断し,その上でまた悩む,”人間”が描かれてるんじゃないかと感じた.
短いし,なかなかおすすめ.


朗読者 (新潮文庫)朗読者 (新潮文庫)
Bernhard Schlink 松永 美穂

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『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎

自分が始めて手に取った伊坂作品は発表時系列に忠実にこの作品であった.
しゃべる案山子と不思議な住人の居る島の話は,その語り口とともになかなか衝撃であった.
今思うと荒削り感は否めないが,それもまた味である.
ヴァラエティに富んだ登場人物のキャラクタには,
その後の伊坂作品の原型を感じた.
この作品から伊坂を読むのはひとつの方法だと思う.

オーデュボンの祈り (新潮文庫)オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂 幸太郎

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『重力ピエロ』 伊坂幸太郎

もっとも印象深い伊坂作品を聞かれたら『魔王』と答えるが,
最も好きなものを聞かれたら本書を挙げる.
台詞の一つ一つがものすごくいい.
テーマも自分の専門に関係があり,
作品のメッセージにも非常に共感できたことも大きいと思う.
映画も公開されており,”評価を下すために”見に行ったのだが,
結論としては原作を推します.


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伊坂 幸太郎

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